青いラジオ

「飲みにでも行くか」
 その男の誘いはいつも唐突なものだ。
 手持ち無沙汰に足元に散らばった工具を眺めていると、ひょこりと作業場から顔を出した日に焼けた横顔が汗をぬぐう。機械油と埃の混じった汚れがそこかしこにこびりつき、片腕を窮屈そうに伸ばすと口に咥えたままのドライバーを工具箱へと落とした。
「何でまた」
 床に置かれたままの古いラジオ(ラジオなんて骨董品がまだあることにも驚きだが、番組を流す局がまだ存在することに驚きを隠しえない)は、太陽風の予報と、代わり映えしない世界の情勢を眠たそうな声のキャスターが垂れ流している。0081年の8月の終わり。ここへきて1年と5ヶ月、調整されているとはいえつきの重力は軽い。この1年少しで身長が2センチも伸びてしまったと内心悪態をつく。ぴったりだったはずの服がきついのは多分、気のせいではないはずだ。
「なんでって、そりゃ」
 汗を拭きながら数メートル下がった作業場から出てきたケリィは、小麦色の癖毛をくしゃりとかき上げると怪訝そうな顔で首を傾げて見せた。
「酒は飲みたいから飲むだろ。…それだけじゃ不満か?」
 どうしてそんな事を聞くのかと言わんばかりの顔に、何か言いかけていたはずの言葉は喉の奥に消え、手持ち無沙汰のまま弄っていた六角レンチを工具箱に戻す。
 ケリィがおもちゃだと言う褪せた深紅の機体は、昔何か図録で見た地球の生き物に似ている。それは海に居るらしい。自分は、まだ海を見たことが無い。
「いいのか、作業は」
 何も言わないのも、全てを肯定するようで何か悔しく、出した声は酷くすねたように響いた。これではまるで子供ではないか。古い割に工具が綺麗なのは、ケリィが良く道具を磨いているからだ。片方の抜け落ちた腕で器用に梯子を上ると、日に焼けた横顔が汗を拭う。
 油で汚れた鼻先が見えて、手すりにかかったタオルを投げた。
「ま、今急いで出来るモンでもないしな。後でまた山から材料の調達」
 くい、と彼があごをしゃくる先には、工房の外に廃棄されたさまざまながらくたの山がある。1年戦争の終わった後に残ったのは、たくさんの亡骸とたくさんのガラクタ。失ったものが多すぎて、何をなくしたのかも良く分からないほどだ。
がらくたを繋ぎ合わせてMAを作るケリィ、世界は今ガラクタを寄せ集めながらも必死に生きようとしている。
「ここは平和すぎて」
 ラジオはやがて、地球の政治の話に戻り、ジオンの動向は今日も変わりないことを告げていた。月では地球も、ジオンも、まるで関係の無い世界のようだ。
「…私には馴染まない」
 ぽつりと呟いた言葉は、そのまま軽い重力に紛れて消えた。手の中に残っているのはいつまでもかたく、つめたいモビルスーツのコントロールバーの感触だけだ。汗を拭って軽くシャワーを浴びてきたらしいケリィは、こざっぱりとした顔で不思議そうに首を傾げている。
「お前、独り言多いよな」
「余計な世話だ」
 0081年8月の終わり。
 夏が終わる。
 いや、名義上8月が夏だと教えられてきただけでは有るが、気温も変わらない、どこまでも暗いうみを頭上に抱えて、けれどゆっくりと夏が終わろうとしていた。







 第三層にあるそのバーはマスターが一人で切り盛りをするオーセンテックバーのはずだったが、バーにしては明るい店内と趣味が高じて増えたメニューにより其処まで気負う必要のない、ガトーとケリィにとっては気軽な逃げ道となっていた。
 それに加えて平日の夕方である。いつもどおりの店内はひんやりとしていて、店の端では絞ったヴォリゥムで古いレコードから音楽が零れ落ちている。
 店内には人も少なく、カウンターの横にある二人がけの丸いテーブルに学生同士らしい、年若い青年たちが数名居る程度だ。
 古い映画が好きだ、と静かに笑うマスターの名に恥じないよう、この店でかかる音楽はどれもまだ人類が地球に張り付いて暮らしていた頃に作られた名画の数々からとられている。今日はのんびりとしたオフヴォーカルであるらしい。入り口をくぐったケリィが手を上げると、カウンターの中でグラスを磨いていた壮齢の紳士は小さく頷いて席を勧めた。
「今日はまた随分と早い時間に」
 静かに笑う顔はどこと泣く人を安心させる。昼行灯だからな、とケリィが豪快に笑った後でカウンターへと置いた紙袋の中からは古びたラジオが一つ。所々塗装の剥げた小さな箱を見たマスターは驚いた顔をする。
「覚えていてくださったんですか」
「いつもの礼だな、マスターには随分世話になってるから」
 どうも二人の間に何らかの約束が交わされていたらしい。怪訝な顔をしたままの自分に気づいたのか、彼はすみません、とあやまってからご注文は?とやわらかな声で言った。
今日は新鮮なミントと生の桃があります。どうします?
「では私はモヒートを。砂糖は少なめで、ミントを多めに」
「かしこまりました。レズナーさまは?」
「ンー、じゃあ俺はいつものやつ。」
「モスコ・ミュールですね。かしこまりました。今日はジンジャーエールを手作りしたんですが、どうしましょう。辛目がお好きでしたらそちらで。いつものあっさりしたものがよろしければウィルキンソンを」
 その言葉を聞いてケリィの頬が緩む。おっ、いいねぇ、自家製か!そっちで頼むよ。この男は本当に酒を旨そうに飲む。
それはケリィの美徳だ、と思う。
「では、自家製で。お口にあえばいいのですが」
 控えめな微笑みを溢したマスターの前で、ケリィは笑ってみせる。そんな事、気にする必要は無い。そう言っているようだ。彼のマスターに対する絶対の信頼。彼の作るカクテルは旨い。
「綺麗な色だな」
 カウンターの上におかれたままの古いラジオを見て呟けば、カウンターの中でかすかにマスターの頬が緩んだ。はっきりとした青はまるで積み木のようで、四角くぽってりとした形もかわいらしい。ケリィが工房に置いている多機能で無骨なものとは違う、アンティークのような大切に扱われてきたのだろう。褪せることのない鮮やかな青。地球の色だ。所々に擦れて剥げた塗料がまるで雲のよう
 ---dear my gren.
 小さく、針で掻いたような傷の文字がラジオの隅に一つ。
「グレン?」
「グレナデンシロップってあるでしょう。石榴の赤いシロップなんですが」
 目の前に引かれたコースターの上に汗を拭われたタンブラーが差し出される。たっぷりとしたクラッシュアイスの中で、涼やかなミントの葉が揺れていた。
「妻が私をそう呼んでいたもので」
 穏やかな顔で笑う彼は続けてケリィに真鍮のマグカップに入ったモスコミュールを差し出した。鮮やかなライムの青と、きりっとした生姜のいい香りがカウンターの上をすべる。
「妻の形見なんです。お恥ずかしいですが、機械がまるきりだめなもので、レズナー様に修理をお願いしていて」
 昔話でも?と少し笑った老人を見てグラスを受け取ったケリィが頷く。私も冷えたグラスに唇をつけて小さく頷いた。
うす甘いテキーラの底で、ミントが涼やかな香りを喉の奥に運ぶ。アルコールのえぐみはなく、ただ冷たい液体がするりと喉を滑り落ちた。
「…旨い」
 素直に唸れば、庭で取れた薄荷なんですよと彼は言う。第二層にあるごく一般的な住居区でささやかな暮らしを送っているらしい。この場所にバーを開いてもう15年にはなるようだ。
「妻は酒が飲めなくて。それなのにバーテンダーと結婚なんてするでしょう?アルコールの話が出来ないのがどうにも悔しかったらしくて」
 そう言って微笑む老紳士は、まるで昨日の出来事でも語っているような静かな口調だ。
 形見というからには、彼の伴侶はもうなくなっているのだろう。少々お待ちを、ふと顔を上げてカウンターを出たバーテンダーは、隅のテーブルに伝票を持って近づくと、腰を落として注文を受けている。別に誰が呼んだわけでもないが、空になったグラスが見えたのだろう。
 狭い店内とはいえ、こちらでの会話に耳を立てながらも全席を把握している。たいしたものだとケリィは満足げにモスコミュールを喉を鳴らして飲み干した。
 赤銅色をしたマグの中で氷が割れて音を立てる。
 テーブルに座った青年たちはスクールの生徒だろうか、夏休みを利用して月に観光に来ているのかもしれない。暢気なものだ。一年戦争が終わり、表立った大きな抗争は形を潜めたとはいえ、まだ水面下では終わることの無いいざこざが続いているのだし、確かに月はそういった意味で完璧な中立を保ってはいたが。
「お待たせしました。丁度よかった、レズナーさまにも何かおつくりいたしますか?」
 ゴブレットを出した彼はジンジャーエールを注ぎ、静かに底へと紅のシロップを沈めた。カクテルピンに刺さったマラスキーのチェリーもかわいらしい。黄金色の水色から深紅のグラデーションは夜明けの空のよう。確か、
「…シャーリーテンプル」
「おや、良くご存知で」
ふと口をついた名前は、西暦の頃活躍した有名子役のものだ。グラスを持った彼は再びカウンターの中から出ると先ほどの学生二人組みの元へとそれを届けて戻ってくる。傍目にも一人がやや頬を上気させているのが見えて、これも彼の心遣いなのだと知る。
シャーリーテンプルはノンアルコールカクテルだ。
「妻も、これが好きで。…アルコールは一切だめなものですから、いつもこうやってノンアルコールカクテルを作ってくれとねだられたものですよ。シンデレラに、シャーリーテンプル、グレナデンソーダ、」
「ああ、それで」
 ケリィも気づいたようだ。古いラジオに視線を向けた私の横で、グレナデンシロップ、とカウンターの中の赤いシロップの瓶に視線を向けている。
「ええ、それで、私をグレン、と」
 石榴の赤い色。
 さぞかし、甘い恋だったのだろう。
「妬けるねぇ、今もこうして」
 恋人を眺めるような優しい視線に私もケリィも思わず笑みがこぼれる。空色のラジオ、きっと彼にとっては大切な。
「老人の思い出話ですよ。何なら、お好きな映画のタイトルでもおつくりしますか?」
「おっ、いいね。」
 ぱっと顔を輝かせたケリィは、あれこれと映画のタイトルを思い浮かべては楽しそうに笑っている。ジオンで、さして娯楽に身を沈めていたわけではないが、ライブラリーにあった古い映画は良く見ていた。それこそ、西暦の名画、といわれるようなものも。
「トップガン、なんてのは」
 やがて彼が指をたてて呟いたのは、二人のエースパイロットの活躍を描いたアメリカンムービーの名前だ。片腕を失っても彼の目はずっと空を、うみを、見ている。それはたぶん自分も同じ。
「いいですね、お作りしましょう」
 若い頃のトムクルーズ、とびきりハンサムで私なども憧れたものですよ。ミキシンググラスに氷を落としながら言葉を交わすマスターは、知り合いをかたるようにそう言った。
「アナベル様は」
 私は、
 グラニュー糖で雲模様の描かれた背の高いグラスに真っ青なカクテルが注がれ、天辺には綿あめと飾り切りされたライムの皮が飾られる。青空に浮いたトムキャットだ。
嬉しそうにグラスを受け取る友人を横目に、ぼんやりと耳を傾ける。確か、この曲は、
「八月の鯨を」
 おや、と彼は不思議そうな顔をする。
「若い方がご存知だとは珍しい」
 のんびりと店内にかかる音楽は、小さな島で老人たちの繰り広げる日常を切り取った、それは美しい映画の曲だったはずだ。
自分でもよく覚えていたものだと苦笑しながらあいまいに返事をすれば、いいでしょうと頷いた老紳士は冷蔵庫から冷えた桃を取り出して、おもちゃの様にちいさなナイフでするすると皮を剥いて行く。
薄紅色のびろうどに包まれた、瑞々しい果肉は証明に光の粒を浮かせて、それはそれは旨そうに見えた。
「祖母が好きで、幼い頃に良く」
 アナベルの髪は私とおそろい。そう言っておっとりと笑っていた少女のような祖母の優しい面影は、もう記憶のはるか彼方に残るのみだけれども。銀色の柔らかなウエーブのかかった長い髪が自慢だと、幼かった自分の髪を撫でながら良く話してくれていた。
「私くらいの歳になると、ああいう生き方にも憧れるものですよ」
 切り取られた桃の一片は、砕いた氷とともにミキサーにかけられ、シャーベットになる。
「でもお若い方だと退屈じゃありませんか?私も若い頃は何度見ても最後まで起きていられたためしが無くて」
 どうぞ、八月の鯨です。
 口の広いカクテルグラスには薄桃色のフローズンシャーベットが盛られ、飾り切りにされた桃が並ぶ。ふわり、と夏の甘い香りがした。
「少女のイメージなのですよ」
 老人とはかけ離れたフレッシュなカクテルに目を奪われていると、静かに呟いたマスターが笑う。
「人は不思議と、年をとるほど子供のようになっていく気がして」
 年をとるのも楽しいですよ。
 それは、どこか遠い国の言葉のように響いた。歳をとること、時間が進むこと。今の自分たちには何よりも苦痛で、切ない、酷く惨い言葉のように思えた。
「マスターに言われちゃなぁ」
 グラスを空にしたケリィが笑い、ぷつぷつとノイズ交じりの演奏を続けていたレコードが沈黙を告げる。ひんやりと冷えたカクテルは、桃の薫が優しくて、不思議と胸が締め付けられるようだった。こんな想いは柄ではない、薄桃色の氷は舌の上であっという間に溶けて消える。
「歳をとることを今はあまり考えたくはないな」
「まあお前が歳をとるのと同じスピードで俺も年取ってくわけだけどな。…ちょっとジジくさくないかこれ」
 まるでプロポーズのようなケリィの台詞に、無意識に眉を寄せたところで止まったレコードをかけなおすためにマスターがカウンターを後にする。
「自分で言ったんだろう」
 ガトーは、
 ガトーは甘いカクテルをちまりちまりと舐めながら止まった音楽の続きを小さな声でハミングをした。それほど強いアルコールを飲んだわけでもないのに、不思議といい気分だ。カクテルの空気を纏った歌声は、ケリィの耳にも届いたらしい。よくやる、そんな顔をして小気味良くグラスを煽った彼は軽い音を立ててカウンターへと置いた。グラスを満たしていた空は残らずケリィの腹に収められたらしい。空っぽになったグラスの底で、ライムで出来たトムキャットが、居心地悪そうに沈んでいた。
 ガトーも最後に溶けた桃の甘い雫までを喉に収めてしまうとカクテルグラスをそっとコースターへと戻す。レコードは、先ほどとは変わってややアップテンポなジャズを流し始めていた。
「鯨は行ってしまった」
 桃の空気を含んだ息を吐いて小さく呟いた言葉に、ケリィが怪訝な顔をする。
「あ?なんだそれ」
「八月の鯨、だ」
 夏の終わり、いつまでも現れない過去の思い出を待ち続けた少女だった老婆たちは海を眺めてそう呟くのだ。鯨は行ってしまった、と。
「そういう台詞がある。この映画の終わりに。」
 ケリィは一生見ることは無いだろうと思いながらも呟けば、千鳥足になった若い青年を見送った老マスターが戻ってくる。
「…『まだわからないわ』」
「蚊帳の外ってか」
 つまらなそうに唇を尖らせたところですみませんとマスターが笑った。
「老人は思い出を語るだけですが、あなた方はまだ若くいらっしゃる。うらやましい限りですよ」
 チェックを、と呟いたガトーに向かって頷き、彼はラジオをカウンターから下ろす。客の居なくなったバーにcloseの札をかけ、会計を済ませるとラジオへと灯がともされた。
『-----に、動きがあり、地球連邦政府は引き続き調査を進めるとの見解を発表しました』
 大げさなノイズに紛れた音声がニュースを伝え、アルコールのしみこんだ頭をゆるく振って苦笑する。情勢は、こうして日々進んでいるのだ。自分とケリィ、月に取り残された二人だけをおいて。
「ご馳走さん。うまかった、また来るよ」
「ええ、また。いつでもお待ちしておりますよ」
 日付をまたごうとしているフォンブラウンはライトが落とされて、夜の呈をなしている。人工的に作られた夜、空気も心なしかひんやりしているようだ。
「お前さ、結構ロマンチストなのな」
 アルコールの回った体は少し熱く、その空気の冷たさが心地よい。顔色一つ変えないケリィは夜の空気を楽しむようにあごを少し上に上げてそう言った。
「何が」
 ケリィは本当に酒を楽しそうに飲む。
 酒を楽しそうに飲むし、ここでも自分のように腐らずに楽しそうにしているように見えた。夏休みのように、その時間を精一杯謳歌しているように。
「うたったりもするもんだとは」
 指先が眉間に押し当てられ、ぐりぐりと揉み解すので思わず手を払えば、おおらかな笑顔と落ちてきそうな星空の下で濡れる小麦色の髪。先ほどバーで口ずさんだ曲のことを言っているのだろうか。にっとお手本のような笑顔を浮かべた後、背中を向けたケリィを追いかける。
「鯨は行ってしまった」
 その台詞は広い海を消えていく艦を思い出させた。大きな鯨、八月の終わり。
 もうすぐ、秋が来る。
「…お前は一人で行くなよ」
 その先を見透かされたようにケリィの言葉に塞がれて足が止まる。その気配を感じたのか、彼もまた数歩先で足を止めて肩越しに振り向いた。外灯に、日に焼けた肌が浮いている。この男は、こんなに勘の鋭い男だっただろうか。
「俺はニナちゃんにあのカクテルをおごってビンタされんのはごめんだからな」
「何を馬鹿なことを」
「そうかねぇ」
 足早にケリィを追い抜きざま、片腕でばちんと背中を叩かれた。
 残った片腕を、彼はこの先何に使っていこうと望むのか、それは自分も痛いほど分かっているのに。ここは本当に、平和すぎて自分にはなじまないのだ。
 このまま月で、こうやって時々友人とバーにより、恋人の仕事の愚痴に付き合って苦笑したり。そんな毎日でも、いいと、
いいんだと、錯覚してしまうから。
「先に帰るぞ」
 振り向いたケリィはいつもの顔で、今行くよと足早に追いつくとそのまま下層に下りるエレヴェータに駆け込んで消えた。
「…わからないか」
 小さく呟いた言葉は夜風に紛れて消え、私は目を閉じる。瞼の裏には去り行く艦と、昼間聞いたラジオの声だけがはっきりと残っていた。もうすぐ、恐らく、すぐに、迎えが来るのは分かっていた。


 秋のはじまり、
 0081年9月17日、一人の男が月から消えた。
 一人の女と、一人の男、それを知っているのはたった二人だけだ。
 鯨は、行ってしまったのだと。

作成:2011年7月11日
最終更新:2016年12月10日
お友達の本に寄稿させてもらったもの。
0081年8月の終わり、フォンブラウンでのケリィとガトーの最後の会話。

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