君は誰の

数秒、凍りつく。
ドアに掛けた手、一瞬思考が追いつかずにドアを開けたまま放心し、「閉めてほしいんだけど」、とあまりにもそっけない一言でやっと我に返った。
生徒会室、と掲げられたその部屋の鍵は、自分と役員を除く数名が預けられているはずで、広い中庭に面した窓の大きな明るいその部屋で、彼はあまりにも不釣合いに見えた。
いつもは自分のために空けてある椅子の上に腰掛けた大柄な人物は、どこか不機嫌そうな、それでいて挑発的な顔をしている。膝の上に、小柄な少女の影が見えた。
あの制服の色は一年下の学年だろうか、線の細いショートカットのこちらに背を向けていて顔は見えないが、見えなくて良かったと思う。多分今の自分 は、羞恥と怒りに真っ赤になっているだろう。開け放した窓が風をはらみ、放課後のゆっくりした空気を舞い上げてカーテンがばたばたと踊っている。

「な・・・っにしてるのよ!」

「何って、見て分らないかな。セック、」

「そういう事いってるんじゃない!ふざけないでよ!ここはあんたのホテルじゃないんだっ、か、ら!」

はだけた制服に少し汗ばんだ額。穏やかな瞳は空色を映したまま不安定に揺れて、そのくせ酷く暗く見える。膝の上の少女が、居心地悪そうに体をよじった。

「っ…いいから!早く出てって!今すぐ!」

けち、と唇を尖らせる子供っぽいしぐさとは裏腹に、悪びれもせず笑っている目は明らかにこちらを見下しているような気がする。面倒くさそうに乱れ た制服を整え、手を引く少女に何事かを呟くと上背のある大きな背中が視界から遠ざかっていく。すれ違いざま「またあとで。」小さく呟やいて肩を叩かれた。

(泣きそうだ)

毅然と開いたままの窓をにらみつけたまま堪える。泣くな、馬鹿。自分に言い聞かせて緩い風に結った髪が舞うままに唇をかみ締める。
・・・肩に一瞬触れた手が、焼け付くようだ。シャツ越しに焼印を押されたようにくっきりとまだ残っている。酷く、熱く、痛い。

(泣くな馬鹿。・・・泣くな)

泣くな泣くな泣くな。そんなに弱くない。一人でも立ってられるんだ。ここで崩れてどうする。・・・皆の、迷惑になってどうする。がらら、と背後で引き戸が閉められて、ぴしゃんと拒絶するような音を立てて閉じる。
扉に挟まれて緊張の糸があっけなく切断されたのか、ぺたんと座り込んだリノリウムの床。スカートから伸びた自分の足がどこか作り物めいて見えるのは、青ざめた指先のせいだろうか、とぼんやり考えながらまるい膝を見つめる。

(届かない)

わけも無く胸の中を全部空っぽにされたような気がして、ぽたりとスカートに小さなしみが落ちた。



「あれ?なにしてんの」

光の洪水。
味気ないドア(これはいただけないと常々感じている。生徒会室なんだから、もうすこしこう、品があってしかるべきだと抗議したが、会長にあっさり 却下されてしまった)を引きあけると、血のような真っ赤な部屋の中、見慣れた椅子に見慣れた影がぽつんと座っているのが見えた。暮れ掛けて傾いた太陽は、 明日が快晴だと触れ回るように見事な朱色を部屋中に投げかけている。

「…仕事に決まってるでしょ、馬鹿」

そっけない返事、あ、そう?と笑って返し、隣の椅子…自分の席へと腰を落とすと「ん」手を差し出す。不審げに見返してくる瞳も、夕日に浸されていつもの深い森林の色を潜めていた。

「何その手」

「何?じゃないでしょ。何のための副会長よー、どうみてもその量、一人で終わるとは思わないけど?」

もさりと目の前に詰まれた申請書類の山を指差すと、やっと意図を解したように山を崩して遣してくる。律儀なのか何なのか、妙なところで几帳面だ、 と思わせる丁寧さで、一つ一つ目を通していたらしい。部費の嘆願書だ、こんなもの、いちいち要望を飲んでいたら生徒会費をすべて食い尽くされているのは目 に見えているのに。

「もしかして全部読んでから申請下ろすつもりだった?」

「…だとしたら何よ」

「いやー、随分と律儀だね、っつか。ほら、おにーさんに貸しなさい」

「ちょっと!」

勝手に取らないでよと文句と呟く唇を、ウインク一つで沈黙させると手元に抱えた山のような嘆願書を手際よく裁いていく。サッカー部、吹奏楽部、新 体操、水泳、この辺は実力もあるだろうしイギリスの認可を受けたほうがいいだろう。自分の手元へは同好会や弱小の部の書類をまとめ、そろえなおして返すと 随分複雑そうな顔をしてありがとうと呟いた。

「サッカー部は今年大会で遠征があるはずだから、汲んであげたほうがいいんじゃないかな。吹奏楽部は去年と同じで差支えないはず
だし・・・、他に大きな大会を抱えてるところは、」

「体操部と水泳部。」

「オーケィ、じゃあその二つだ」

ん、と無意識なのか喉を鳴らして小さくうなずく仕草。可愛いのだと口に出したら多分叩かれるだけだろうからやめておいた。うつむいて書類を撫でる指先、小ぶりの鼻と意外と長い睫。

(フツーに女の子、できるじゃない)

100、200、300、400、でしょ、600、700、800、900、えーと、1000でしょ、
数字を指で追いかけながら小さく呟く口元が可愛らしい。真剣に書類を読み始めたらしい横顔をちらりと一瞥して、こちらも山になった申請を片っ端からやっつけることにした。






「どう、終わった?」

まとめた書類をクリップで留めなおし、大きく伸びをする。安っぽい椅子がリノリウムの床を叩いて、がたん、と小さく音を立てた。朱色にくれていた 空は柔らかな色を残して沈み、今は少し冷えた風が窓から入ってくるだけだ。もうちょっと、と呟いた彼女がぱらぱらと紙の束を束ねてファイルに入れる。どう やら終わったらしい。

「おつかれさん、いやー、思ったよりかかっちゃったねー、真っ暗。」

「待っててくれなくてよかったのに」

「こういう時は素直にお礼言うもんでしょー?」

別に待っててくれなんて頼んでない、とかたくなに憤慨する横顔だけれども、夕日の赤が消え、蛍光灯で照らされた室内では赤く色づいた頬がばっちり だ。ぷい、とそっぽを向いたツインテールが明るい軌跡を描いて揺れ、リップでも塗っているのだろうか、微かにピンク色に色づいているように見える唇。こ ら、と肩を掴んで視線を合わせる。

「ありがとう、は?」

子供に諭すようににっこり笑って首を傾けて見せれば、分ってるけどもう逃げられない。卑怯だな、とは思うものの、はにかんだ顔が見たくてついいつもちょっかいを出してしまう。
案の定、彼女は一瞬困った顔をしてから顔を伏せ、小さな声でありがとうと呟いた。

「別に、別に頼んだわけじゃ無いのよ」

「はいはい、俺が好きで手伝ったの。困ってる女の子ほっとけるほど薄情じゃないんです」

帰るよ。
書類を抱えて手をとれば、またそれだ。困ったような顔。

「かえんないの?」

「・・・。」

取った手を振り払われるわけでもなく、断るわけでもなく、ただ困った顔。

「…まだ用事あるし、」

「なんだ、じゃあ待ってるって。帰りにケーキでもどう?」

「遅くなるの!…遅くなるから、今日はいいや。…ごめん」

離れた手が微かに震えている。珍しく弱気な声なんか出すから、そんな声なんかするから、思わず抱きしめちゃうじゃないか。
じゃれ付く要領で背中からすっぽりと包み込めば、案の定一瞬反応が遅れてフリーズする。さあ、どこから手が飛んでくるか、なんて身構えていたのだけれど、いつまで経っても動かない。覗き込めば、真っ赤な顔をしてうつむいている整った鼻筋が見えた。

「なー、イギリス」

「な、なによ、離しなさいよ」

「お兄さんと付き合ってみたりしないかね。」

今度こそ、
見事な音を立てて頬をひっぱたかれた。
(ちょっと本気だったんだけどな)
目を真ん丸く見開いたまま、自分が叩いたことにしばらく気がつかないのか、手のひらと自分とを見比べてきょとんとしていたイギリスが、目を覚ましたようにばかじゃないの!と一言。

「・・・ちょっと、本気だったりするんだけど」

傷つくなぁ、と頬を押さえて小さく笑うと、泣きそうな顔をして真っ赤な頬が伏せられる。そうでもしていないと崩れ落ちてしまいそうだといわんばかりにきつく抱きしめた書類。こっちは抱きしめた腕を解いてホールドアップしたまま、なんとも間抜けな格好。と苦笑して。

「…無理。」

「その言い方傷つくぞ」

「無理なもんは無理なんだってば馬鹿ぁ!」

「あー…ごめん、ごめん。困らせるつもりとかじゃなくて…ね?泣かないでよ、女の子泣かせたなんてサイテーじゃないか」

混乱しているのか、ぽろぽろと瞳から大粒の涙をこぼし始めるイギリスを見て柄にも無くあわててしまう。壊れた蛇口、抱きしめた書類に雫がしみこむのもかまわないで、声もあげずに泣き続ける細い背中。
うるさいばか、変な事言うからよ、とかなんとか。薄く色のついた唇に、キスしたい、キスしたいんだけど。

「あのさ、イギリス、」

一回だけ、と手を伸ばした先、がたがたとうるさく開いた扉の先に、明るいハニーゴールドの髪が揺れた。

「おそくなってごめん。待った?」

「あめ…りか?」

立て付けが悪いのか、半分ほど開いた扉の先で、そういえば昔良くイギリスと一緒に居るところを見たな、と思う顔。少しまだ幼さの残るベビーフェイ スにスクエアフレームの眼鏡。新入生代表で挨拶をしていたような気もする。一つした、だっただろうか。もっさりと大きな背中、随分と身長も高い。

「…それ」

戸惑ったようなイギリスの声が腕の中から聞こえる。明るい光を帯びていたドアの向こうの少年の瞳が、すうっと細められて冷たく冷え込んでいくのがはっきりと感じられ、腕の中に転がり込んだ形の細い体が、それを受けておびえる様にこわばった。
それ、と手を上げて自分の腕の中に納まったイギリスを指差してくる。

「俺のだから、あんまり触らないでほしいんだぞ。」

「俺の…って、付き合ってたっけ、イギリス?」

声も出せないのか、小さく首が振られる。そういえば、昔付き合っていた人が居るとか居ないとか、聞いたような聞かないような気もする。違う、違うの、と震える声が鳴いた。
深く、…胸を裂いた傷が、痛々しい傷跡をさらしているような気がして、思わず腕に力がこもる。何より、アメリカの刺す様な視線が息苦しいほどで。

「…別れたの、」

鳴く様な一言に、氷の視線が突き刺さる。伸びてきた腕に、あっさりと抱きとめていた体を持っていかれてしまい、あっけに取られたまま子供が熊のぬいぐるみを抱くように、ぎゅうぎゅうと腕の中のイギリスを抱きしめる少年を見つめた。
明るく、暗い、浅いのに底の見えない蒼い瞳。

「だそうだけど。別れたならもう君は関係ないよね」

「ほしい物を欲しがって、何がいけないのかわからないな。俺はイギリスが欲しいの。だから俺のだよ」

「だから、そうじゃないって言ってるでしょうよ、ボウズ!」

思わず声も強くなる。叫ぶように口走ってから、どうにも大人気ない態度に恥ずかしくなった。いや、すまない、と呟いては見るものの、彼女を抱くア メリカの腕は緩まず、抱きしめられたままどうしたらいいのか分らない顔をして、…泣きそうな顔をしてイギリス。この二人に何があったのかは知らない。
付き合っていたのかもしれないし、そうではないのかもしれない。
ただ一ついえるのは、イギリスに深々と突き刺さった棘が今も抜けずに体をえぐり続けているという事実。小さく溜息を吐くと手を差し伸べた。

「おいで」

卑怯者だ。
ここで力尽くにでも奪い取れたらどんなに楽だろうと思いながら、あえて優しい声で誘惑して手を取らせる。すっぽりと抱きすくめられたまま、驚いて目を見開くイギリスにやさしく微笑んで頷いてみせる。おいで、ともう一度呟いた。

「君が選ぶといいよ。別に無理に付き合ってくれなんて言わない。ただね、お兄さん、女の子を泣かせるようなやつにはイギリスを渡したくはないんだ。それくらいは大事にさせてもらっていいだろう?」

「駄目だって言ってる。」

聞く耳持たず、とはこのことか。子供のような主張で腕の中で抱きしめられるからだ。相当な力がかかっているのか、細い背中がしなっている。眼鏡の向こうで泣いている瞳。すがることも突き放すことも出来ないのか、震えながら堪えるだけの。

「いらないって・・・あんたが要らないって言ったんでしょ?!今更自分のだなんて、おかしいわよ、ふざけないでよ!」

「だって、君は俺を見てくれないじゃないか。弟みたいにしか見てくれなかった君が悪いんだぞ」

(ほんとに付き合ってたのか)

差し伸べた手も、きつい抱擁も甘んじて受けずに一人で走り続ける少女。傷つくのが怖い、とその澄んだ碧眼が泣いている。あからさまに不機嫌な顔を 隠そうともせず、こちらをにらみつけてくる少年と。どうしたらいい、どうすればいい、と馬鹿みたいに立ち尽くした自分と。夏の初め、温んで湿気を帯びた風 が、時折思い出したように厚ぼったく埃を吸ったカーテンを舞い上げていく。

「だったら…もう関係ないじゃない。さっきだって、彼女と一緒に…いたでしょ」

ああそうか。

「君が見てくれないからなんだぞ。」

わかってしまったかもしれない。
思わず唇を隠して二人を見つめる。多分、最初から付け入る隙などないほどだったんじゃなかろうか。だとしたら一人でからまわっていた自分は相当な馬鹿だ。
互いに気づかないほどぴったりとくっついているから、あまりに近しい距離にこちらが気がつく隙すらなかったのだ。負けるとかそういうことじゃない、最初から、
最初から見えていなかったのだ。自分のことなど。
ふざけないでよ、と口でそういいながら泣いているイギリスは、悲しいのでも悔しいのでもない、もしかしたら嬉しくて泣いているんじゃないだろうか、と。

「俺が欲しいのはイギリスなんだぞ。だから、だからちゃんと今の俺を見て欲しいんだ」

もう君の弟じゃ嫌だ。
と。そういって体の大きな少年は泣いていた。涙すらこぼさないほど、眼鏡の奥で明るい瞳がゆがんで、それはそれは痛々しい泣き顔で。
(畜生め、)
苦笑するざるを得ない。最初から自分は同ラインにすら立てていなかった。それに気づいてすらいなかった。

「イギリス。」

少しかがんで視線を合わせる。自分もそうだろうか、昔から彼女を見ていたから、妹みたいにかわいいと思っていたのかもしれない。それでも、やっぱり大事だから、傷付けたくない泣かせたくない、嫌いになどならないで欲しい。

「…大事な問題なんだろ、ちゃんと決めなさい。…俺もあきらめたくないけどね、泣いてる顔ばっかり見るのも嫌だからさ」

「フランシス、」

あーあー、反則じゃないかな。そういうときに限って名前で呼ぶなんてさ。苦笑してぽんぽんと頭を撫でる。軽やかなツインテールが跳ねるように揺れ た。ほっぺたをくすぐっておでこに軽く唇を付ける。小さい頃によくしたみたいに。…アメリカ君は酷い顔をしてこちらをにらんでいるけど。あーあ、怖い怖 い。そんなの見ないフリだ。

「君たちが別れるのならいつでも大歓迎だけどね。」

見ていて痛々しいくらいだ。お互いに想い過ぎてがんじがらめになってくばかばかしい恋愛など。それでも、少しうらやましく見えるのは、腕の中で泣くイギリスが幸せそうな顔をしていたからだろう。
痴話げんかは犬も食わぬ、だっけ、夫婦だったか。確かそんなことを日本が言っていた気がする。言い得て妙、だ。と真っ暗に日の沈んだ生徒会室を背中越しに閉めながら思った。





腕の中に抱きしめたままの女の子は酷く泣いていた。
小さい頃は、逆だったのに、と思う。腕の中に納まって泣いていたのは自分のほうだった。いつの間にかこんなに小さくなってしまったのだろうか。いや、
大きくなったのは自分のほうだ。

「イギリス。」

返事はない。
すっぽりと抱きしめているからか、顔も見えずに不安になる。おこってるのか?とつぶやくと、震える声で馬鹿と言われた。腕をつかまれたままで離してはくれない。怒ってるのに離してくれない。
やきもちを焼いてくれればいいと思った。自分から離れておいて勝手な言い分だと思う、けど。君をいらないと突き放したあの日、本当は泣きすがり付いて行かないで別れないでと自分無しで居られない彼女を見たかったからなんじゃないだろうか。
自分無しで居られないほど、溺れた彼女が見たかった。自分が欲しいとすがり付いて泣く、その顔が見たかったのだ。

(俺はサイテーかもしれない)

「こっちみてよ、顔みせてよイギリス」

「うるさい馬鹿、しね、しんじゃえ」

頬を包んでささやいてみても、物騒な答えが返ってくるだけだ。それなのにねぇ、どうして君はその手を離してくれないんだろう?突き放して、俺なん かもう要らないと、フランス(確か、生徒会の副会長ではなかっただろうか)と付き合うのだと、目の前で言われればあきらめるしかなかっただろうに。
きっと、これからも自分は最低な愛し方しか出来ないような気がするのに。
それでも、

「それでも俺がいいの?」

「え、」

「…フランスじゃなくて、誰でもなくて、俺がいいの?」

にっこり微笑んでやれば、みるみる顔を真っ赤にして、とまらない涙を流す。高潮した頬を流れ落ちる涙を、とても綺麗だとおもった。もっと泣けばいい。
もっともっと、腕の中で泣けばいいんだ。爪を立てて、泣き叫んで、全部全部、俺だけに見せて。

「あめ・・・りか、あたし、は」

泣きながら、小さい声でそれでもいいと。
それでもいいと、彼女は言った。

「俺も、大好きなんだぞ!」

だから君は俺を見てくれなきゃだめだ。
ちゃんと俺のこと、見てくれなきゃだめだ。
きつくきつく抱きしめた腕の中で、くるしい、と鳴くような声でイギリスがつぶやく。苦しくていい、とおもったから何も言わずにキスをした。
痛くても苦しくても、俺がいいと彼女は言った。だったら、自分も苦しくても痛くても、彼女だけでいい。何があっても彼女だけは、腕の中から離さない。

「アメリカ、」

ちゃんと名前で呼んでくれなきゃ嫌だ、と拗ねて見せれば、恥ずかしそうにうつむいて、それでも最後はしっかりと前を見て、
アル、とその唇がささやく。
はにかんだその笑顔が、最高に可愛いと思った。

「もう全部俺のだ。」

作成:2009年6月27日
最終更新:2016年12月11日
女の子英を皆で取り合い。「アメリカ、反省しろ」っていろんな人に言われた。

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